パウロ・コエーリョ「アルケミスト―夢を旅した少年」は私にとって特別な一冊だ。物語は知っていたものの、尊敬する人に本をいただいて全編を通して読んでから、物語のもつ深い示唆に気づき何度も読み返す本となった。普段私は同じ本を読み返すことは滅多にないが、この本は、何度読んでもまた新しい感銘を与えてくれる。 そんな内的経験をしたから、ボロボロになったこの一冊を本当に大切に思っているし、表紙を見るだけで本をもらってからの経緯を思い起こすほどだ。
ストーリーは、スペインの羊飼いサンチャゴの冒険譚だ。好奇心が旺盛で本を読むのが好きな少年サンチャゴは、他人に不相応だと言われようとも、様々な所に旅ができる羊飼いという仕事を気に入っている。ある日サンチャゴは夢をみて、そのお告げを信じ、羊を手放してエジプトのピラミッドまで宝を探す旅にでる… 世界中で読み継がれるものがたりには、人生を支える普遍的なメッセージがある。子供でも読めるように平易な文章で書かれた小説ながらも、その内容は普段は忘れがちな、しかし大切な人生の教訓を思い出させてくれる。出会いがあれば別れがあり、失うものがあれば得るものがある。偶然出会う人を信じてみる。すでにあるものを工夫して苦難を乗り越える。 人生というのはそういう旅の繰り返しだ。
0 Comments
Your comment will be posted after it is approved.
Leave a Reply. |
Hrk writes. 両極端の、どちらも自分 Archives
November 2021
Categories |